世界わが心の旅アンコール - Yahoo!テレビ.Gガイド [テレビ番組表]: "宗教学者の植島啓司さんが21世紀の聖地と考えるブエノスアイレスを訪れる。快楽の街に生きる人間の幸福を見つめ、混とんとした日本の未来を予感し、自分を見つめ直す。"ブエノスアイレスでは、精神分析が流行だという。書店ではポルノ雑誌と一緒にフロイトが売られている。経済がこの50年衰退を続けるなかで、人々の心は病んでいるのだ。
アルゼンチンは、戦後既得権集団へのバラマキ福祉にあまりにお金を使いすぎたため、経済的にはまったく衰退してしまった。でも、少なくともその前に投資された都市インフラと都市文化は残っている。ブエノスアイレスにはその遺産である美しい都市景観とそれに伴う都市文化が残った。ニッポンにはこれすらない。
ニッポンにおいては、経済発展の成果は、そのほとんどが「フロー」として浪費されてしまったから(バラマキはまさに「フロー」的浪費だ)「ストック」は何も残らなかったのである。アルゼンチンよりひどい。だから、ニッポンの文化の根源を、現代にではなく、貧しかった江戸時代に求めるしかなくなってしまった。悲しいことである。
番組の最後にパタゴニア最南端のウシュアイアの街が出てきたことには感激。人間の原点はああいう壮絶な荒涼としたところにあるのだ。この本、古い本だが、文明とはなにかを考察するためにおすすめ。世界各国の観光地を旅行するのも結構だが、旅行して本当のショックを受けたいなら、パタゴニアに行け:
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